後悔した休暇 投稿者:kanachi 投稿日:2006/11/27(Mon) 15:11 No.38
ここは聖ヘレンズ城。 玉座の近くの通路では先ほどラーハルト司令から休暇をもらった聖ヘレンズ城の四大将軍が雑談をしていた。 「せっかく休暇をもらったんだしよ、どこか遊びに行かないか?!」ユウは元気よく言った。 「そうそう、全員暇なんだし」カインもわくわくする。 「でもどこへ行くのです?・・聖ヘレンズも治安が悪くなってきていますし」リナは顎に手を当てた。 「・・・別にどちらでも良いが・・そうだカイン、お前に知らせがある」とシェイド。 「ん?何だ」 「これだ」 シェイドは1枚の張り紙を取り出した。 3人が見てみる。その内容は・・『アスレチック大会開催!商品は10万ペインと希少な「パニュール・ピニョール」』 アスレチック大会とは、いろいろな障害物を乗り越えるレースのことである。・・言うところ、「筋肉○付」だろう。 「あ、アスレチック〜〜??」まずそこを言ったリナだったが・・ 「おお!パニュール・ピニョール!レア酒!その話乗ったぁ!」カインは「レア」に目が無いのである。 「おお!10万ペイン!装備や道具を買える!その話乗ったぁ!」ユウは眼がペインになっていた。 「お前ら・・将軍とは思えないほど単純な奴だな・・・・(汗」 「同感です、シェイド・・」リナもため息をついた。 しかも4人がいたのは一般兵士も通る普通の通路。カインとユウの単純さは兵士達によってしばらく語り継がれるだろう・・。
そしてアスレチック大会当日。 参加者は全員私服。もちろん、四大将軍も私服である。 『今日は〜、第一回アスレチック大会にお越しいただき、ありがとうございます〜〜』 拡声器で司会者の声が流れる。 (第一回って・・次もあるのか) 聖ヘレンズの兵士も何人か参加しており、大会は賑わっていた。
『それでは〜〜、よーーい、始め!!!』
司会者の合図と共に全員走り出した。 まず1個目の障害物は、空魚の大群である。 「「何ィ?!?!」」参加者は驚く。 『そいつらを殴って進んでください!もちろん、移動系の魔法を使えば即退場!なお返り討ちに遭った場合、スタッフが救助します』 この時点で普通の人はリタイアするだろう。すでに参加者の半分が棄権した。
「うわ〜、素手でなんて戦ったことないぞ!」カインは言う。 「んっ?カインか?」後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。振り返ってみると・・
「ヴェイク!?何故アンタが?!」
カイン達は驚いた。 「魔王様のお出まし?それとも、個人的趣味?」リナは拳を構える。 「まさかお前らがここに来ていたとは・・俺も酒が欲しくてな!」 「貴様・・以前と全く変わってないな・・」シェイドは苦笑いを浮かべる。 「ふん、先に行かせてもらう」 いつの間にかヴェイクが先に走り出していた! 「あ、こら待て!!」ユウも後を追いかける。
「ええい、もうヤケだ!殴りまくるぞ〜〜〜」カインは腕をぶんぶん回すと空魚を殴った。 カインの攻撃を食らった空魚は・・絶命(笑)
続いてシェイドも回し蹴りを食らわした。 ふっとんで行く空魚・・・それを見て。 「布団が吹っ飛ん(ふっとん)だ〜!さすがにこれは受けへんなあ」 観客、参加者のほとんどが凍り、ずっこけた。 「こ、コジッペ・・・ピエロ姿でアスレチックに来るのは異常だぞ」ユウは呆れながら言う。 「ユウはんもあきまへんな〜。ユウはんも変な事を言う(ゆう)はりますやん!」 カチン。 「コジッペ・・・殴るぞ?」 「勘弁して〜な〜(汗」 「このままでは氷河期になりかねないな・・(汗」シェイドは暴れる空魚を足で抑えながら言う。 「ちょっと貴方達!ヴェイクがそこで留まっているわ!今がチャンスよ!」リナは走り出す。
この時点で、残っている参加者は7名となった。 カイン・シェイド・ユウ・リナ・ヴェイク・コジッペ・そして、?????。
ヴェイクが留まっているのには、ちゃんと理由があった。 「ええい、離せ!この野郎!!」 そう、7人目の参加者に捕まっていたのだ。 「いや!絶対に離さないわよ・・・・あ!カインちゃん!!」 そして、『そいつ』はカインに向かって突進してきた。 「っげ・・・・」 一同はこう叫んだ。
―――――おかま野郎、トレビアン!!!
「な、何故トレビアンがここに・・・」 トレビアンはいつの間にかカインの目の前まで来た。 「ひっ・・・・」カインは思わずしりもちをついた。 「カ、カイン!」ユウはカインの肩を組み、立ち上げさせる。 「ゴメンねカインちゃん!あたしヴェイクちゃんに浮気しちゃった!」
え゛・・・・
「何ィ?!」叫んだのはヴェイクである。 「ヴェイク。ありがとう」お礼を言うカイン。 「こらこら待て待て待て!!何故こんな『おかま』に惚れられなければならないのだ!!」 ヴェイクは必死に反論する。 「あたしがうっとりするほどの男よ?元気出して♪」 「誰もそんな事聞いていないッ!」 「い、一国の王子が魔王に惚れる・・信じられない光景だな・・(汗」 ユウは未だに腰を抜かしているカインの肩を組みながらそう呟いた。 「もっちろん、カインちゃんも可愛がってあげるからね〜〜」 「・・・・断る!!!!」
カインとトレビアンとヴェイクとユウが暴れている中、 「・・リナ、先に行くとするか・・」 「そうですね。トレビアンは彼らに任せましょう」 シェイドとリナは再び走り出した。
続いて、2個目の障害物。 「何じゃこりゃあああ?!」 先にコジッペが着ていた。 「コジッペ。どうかしたの・・・」と、リナが障害物を見た瞬間・・
「嫌あああああああ!!」思わず後ろにいたシェイドに抱きついてしまったリナ。 「・・・・リナ将軍・・・?(頬が赤くなる」わざと『将軍』と呼ぶシェイド。 「あっ!!すみませんッ・・」我に返るとぱっ、と離れる。
―――――見たぞリナァァァァ!
後ろからユウとカイン、そのさらに後ろにヴェイクとトレビアンが来た。 「み、見られてしまった・・・」リナは顔を赤くする。 「リナ!お前って、シェイドに気があったのか?!」ユウは驚いた顔で言う。 「あ、そ、それは・・あまりにも気味の悪い障害物を見たから・・・・」 「ユウ。・・・それは・・・ただの事故だ。見てみろ、『アレ』を」シェイドは障害物に指を差す。 ユウは障害物を見てみる。すると・・ 「・・・・ぎゃあああああ!」 ユウは驚いて隣にいたカインに飛びついた。 「どわっ!おいユウ!お前いきなり何を・・・、ってあれ?!」 ユウは気絶・・・。(笑) かなり遅れたが、その障害物とは蛇。目の前に広がるプールの中に蛇がいるのだ。 当然、プールは蛇で埋め尽くされており、1匹ずつニョロニョロと動き、「シャー」と威嚇の声が聞こえる。
「ヴェイクちゃ〜〜ん!待ってえええ」トレビアンは逃げるヴェイクを追いかける。 「うわああ!!!・・・・っこの、オカマ野郎がああああああ!!」
ドガッッ!!
「ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」 ヴェイクはトレビアンを蹴り飛ばし、ぶっ飛んだトレビアンは見事、蛇のプールに入ってしまった。
あ・・・・・・・・・・?!
全員、トレビアンの様子を伺った。 「アレ?!何なのコレ?!し、沈むうううう!」トレビアンは溺れ(?)かけ。
「と、とりあえず毒蛇ではないようだ。進むか」カインはおそるおそるプールを見る。 「・・・起きろ、阿呆が!」シェイドはユウを蹴った。 「ぐはっ!!・・・蹴ることは無いだろう、シェイド!」 「喋っていられるのなら致命傷では無い筈だ」 「お〜、相変わらず厳しいですな、将軍?」カインはにや、と笑う。
「とにかくその気味の悪い障害物を越えなければ・・・。よっと」ヴェイクはひょい、と蛇のプールに飛び込む。 「・・・・よし。俺もっ」続いてカインも飛び込む。 2人はわらわらと集まってくる蛇を振り払いながら前進。 「カイン。プールの深さはどうだ?」シェイドが上から聞く。 「あ〜。結構深い!もう首まで蛇が・・」そう言った直後、1匹の蛇がカインの首に巻き付き、首を絞められてしまった。 「!うっ」 「カインはん!」 コジッペがプールに飛び込み、カインの首を絞めていた蛇を引き剥がした。 「ケホッ、助かったよ、コジッペ」 「あんさん、今は丸腰なんやから気をつけなあきまへんで。まったく・・。ほな、わいはここで棄権しますさかい」 コジッペはプールサイドに上がる。 「ん?何故だ、もうやらないのか?」 「ああ。あんさん方とおると、なんか危なくなりそうでなあ・・(汗」 「そうか・・。お疲れさん」 カインはまた前進。
一方、プールサイドでは。 「・・そろそろ、私達も行くべきではないか?」シェイドは横で凍っているリナとユウに声をかける。 「あんな気持ち悪いところ行きたくないです!!」リナはここで棄権するつもりだろう。 「俺も・・・しかも、この蛇プール、50mもあるじゃねえか!」ユウも棄権を希望。 「ったく、仕様が無い。・・・・第一、どんな蛇だ?これは」 シェイドはプールの近くまで行き、蛇をずるっ、と1匹引っ張り出す。 「・・牙はなし。だがこの太い体・・締め付けられたらマズいな」 そしてシェイドは用心しながらプールに入った。
この時点で、残ったのはカイン・シェイド・ヴェイク・そして、?????・・・・(笑) そして、先に入ったヴェイクとカインは。 「やっと10m・・かなりハードだぞこれ」 ヴェイクは蛇を振り回す。 「・・・あっ?!ヴェイク後ろッ!!」カインは声を上げた。 「・・・な?」
「チョモランマーーー!!」
突然トレビアンが蛇の山の中から出てきてヴェイクにしがみついた。 「お、オカマ野郎・・・あのまま沈んでいればいいものを!」 「イヤよ沈んだら死んじゃうじゃない!」トレビアンは反論。 「・・・・いっそ死んでほしい・・」カインは後ろからそう言った。 「カッチ〜ン!よくも言ったわねカインちゃん!これを食らいなさい!!」 トレビアンは手を妙に動かした後・・・ 「食らえ!オカマ波動砲!!!」トレビアンはカインに目掛けて気色悪い色の波動砲を出した。
「な、何ぃ!??」 「ていうか何だその技?!」ヴェイクも突っ込んだ。 「あっはー、このオカマ波動砲を食らうと全身麻痺して丸1日動けなくなるのよ!これでカインちゃんはあたしのモノ〜♪もちろん、後でヴェイクちゃんも頂くわ♪」
「お、俺も食らうことになるのか?!」ヴェイクは焦る。 「そんなもの食らったら俺の人生があああ!!」しかも、カインは蛇に絡まれて動けない状態。このままではまともに食らってしまうことに・・・・。 波動砲はもう、目の前! 「うわああ!」
「この阿呆!」
誰かの手がカインの髪を引っ張り、なんなくかわすことができた。 「か、感謝するぞシェイド・・・・(疲」ぜー、ぜー、と息を切らしながら感謝の気持ちを伝えるカイン。 「ああ・・・。この後、お前がトレビアンに襲われると思うと寒気がしてな・・・(汗」シェイドも息を切らしながら言う。 「あ〜、惜しいわ!ええい、今度はヴェイクちゃん!あんたよ!」 「な、何だとおお?!」 トレビアンはまた手を動かす。 「嫌だあああああ」 ヴェイクはもがくが、余計に蛇が巻き付いてきた。
「ちぇすとおおおお」 トレビアンの波動砲は見事にヴェイクに命中。 「痛っつ・・・?!体が動かない!」 「あっはん♪」ずるずるとヴェイクに近づいていくトレビアン。
「おいおいおい?!どうするシェイド?!」カインはおろおろと慌てる。 「・・・私は決して情に流されない。あの男の最期を見届けるまで・・・」シェイドは手を合わせ、黙祷(もくとう)を捧げる・・(笑) 「待てえいシェイド!・・・っうわあ離せオカマ野郎!」 「失礼ね!あたしはトレビアン・G・マンダムよ!!」 「明らかに嫌味な名前だな!!」 「何よ!せっかくあたしのモノになるのに、嫌なの?!」 「最初から嫌と言っているだろうが馬鹿者!!」 「無駄よ!もうあたしの『オカマ波動砲』を食らってしまっているわ!覚悟するのね」 「うう、俺はこんな奴に・・・(泣」正直言ってヴェイクの内心は思い切り泣きたい気分である。
「・・・・うがあ!もう見ていられない!!」カインは蛇を一匹掴み、振り回す。「「っ!?カイン?!」」ヴェイクとシェイドは驚いた顔でカインを見る。 「分かる!!ヴェイク!お前の気持ちが分かるぞおおおおお!!!!」そして振り回した蛇をトレビアンに投げつける。
「・・・痛ッ!!舌噛んだああああああ!!!!」トレビアンは蛇プールから抜け出し、逃げていった・・(失格) 「・・・・・あいつ、どうなって舌を噛むのだ(汗」シェイドはトレビアンが逃げていった方向を見ながら呟く。 「助かったぞカイン・・・その礼とはなんだが俺は棄権する・・ましてや動けないしな」 「ああ。運んでやるよ」 その後、ヴェイクはカインに手伝ってもらい、プールサイドに上がる。 「またな」そう言い残すとヴェイクは呪文を唱え、その直後消えた。
そして残ったのはカインとシェイド。 「よし、トレビアンもヴェイクもいなくなったし・・レア酒は俺が頂く!!」カインは蛇を掻き分け、ずんずんと進む。 「私も諦める・・・」 「ん?何故だシェイド!」 「考えてみればここで優勝しても嬉しくない・・・10万ペインなんて私の所持金の一部だし、パニュール・ピニョールなら貯蔵してあるし・・・」 「そ、そうか・・(貯蔵してあるのか。今度貰いに行くとしよう)じゃあ、俺の勝ちだな!」
『優勝は〜〜〜カイン・ヴァンス選手〜〜〜!!!』
スピーカーから放送が流れる。 「これが約束の品じゃ!」会長がカインにパニュール・ピニョールと10万ペインを渡す。 「ありがとうございます!」 「ちなみに、この酒はある人物の特製品。他の酒とは一味違う。つまりレアを超えるレア」 「おお!では会長!これを・・」 「確かその人物の名前は・・・『トレビアン・G・・・・』」 「(何?!)」 カインは持っていた酒をガチャンと落とす。 「○△□※☆▼〜〜〜〜!!!」会長は泡を吹いて倒れる。 「ふ・・・・会長。前言撤回、10万ペインのみ頂きます・・・」 そしてカインは無言で会場を去っていった。
その後日。
聖ヘレンズ城の王室でラーハルト司令が四大将軍を集めた。 「休暇は楽しかったか?・・ん、どうした、顔が青白いぞ」
「シェイドに持ちかけられた大会優勝したけど結局後悔・・」 「妙な障害物にオカマ登場さんざん振り回されてやる気が失せた・・」 「蛇の山しかも50m気絶したあと蹴られて起こされた・・」 「蛇の山を見て思わず抱きついて(あえて誰かは言わない)しまったすごく恥ずかしい・・」 カイン・シェイド・ユウ・リナは口々にぶつぶつと文句を言い出した。
「ま、まあ良かろう(汗)体調が不調のようだが任務がある」 「「「「何でしょうか・・・」」」」4人は既に気力無し・・(笑) 「その大会で観客が妙なオカマを見たというのでそいつの正体を調べ・・・・ってどうした?!」
カインは気絶、シェイドは現実逃避、ユウは頭を振って否定し、リナから「止めてください」という怯えた気が発せられた。 「お、おいお前達!しっかりしろ!(慌」
・・・今度、あのオカマに遭ったらどうしてくれよう・・・・
4人は兵士たちによって自室に運ばれながらそう考えていた・・。
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