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第18話「神聖剣ガイア」


「このガイア世界に存在する7大聖剣の事は、諸君等も既に知っておるとは思うが、
 それらが翡翠石と深く関係しているという事までは知らぬであろう?」

北クロス王は、白くて長い顎髭を撫でながらシェイド達に質問した。
狂人バルテスとの戦いの後、北クロス城の謁見の間では、
シェイド、ユウ、ルイ、そして北クロス国4将軍が王の話を聞くために集まっていた。
そう、バルテスとの戦いの前にシェイドが北クロス王に質問した、
"翡翠石"についての答えを聞くためである。
「聖剣と翡翠石との関係……ですか?」
それは、シェイドにとっても初めて聞く事実であった。
北クロス王はゆっくりと、聖剣、そして翡翠石について丁寧に話し始めた。

聖剣の歴史、それは遥か昔にまで遡る。

ガイア世界における7大聖剣と呼ばれる剣というのは、
かつて聖ヘレンズ国将軍のカイン・ヴァンスの所持していた聖剣ファルコン、
同じく聖ヘレンズ国将軍(現国王)のシェイド・ハーベルトのもつ聖剣ドラゴンズ・アイ、
そして聖剣オルタナティブ、聖剣アリス、聖剣ブルー・ティアーズ、
聖剣エルディオス、聖剣インペリアルの事である。
これらの聖剣は、元は神が作った1本の美しい剣であった。

魔王ガルドゥーン誕生より遥か昔、ガイア世界には、7つの国が栄えていた。
互いに争うこともなく、平和な時代を築き上げていったかのように思えたが、
1人の神の介入により、その均衡は脆(もろ)くも崩れ去った。

"神聖剣ガイア"と呼ばれる、全ての神々を魅了した剣がある。
元は王の座を不動にするために作られた1本の剣だが、
神の1人である"女神オルバ"は、7つの国の中から1人の人間の王を決めるべく、
この剣を7本の聖剣に分け、国同士を戦わせたのである。
その結果、7つの国のうち、3つの国は、この争いで滅びてしまった。

翡翠石とは、7つの聖剣それぞれの核の事である。
全ての聖剣に、これらの石をはめ込む事で、神聖剣が復活する。
神聖剣を持ったものは、絶対的な支持、つまり神がかり的な力を授るようになる。
また、この石自体にも効果があり、光を浴びさせると相手を洗脳する事ができるため、
各国の王達は、この"神の力"を欲し、翡翠石を集めようとした。

それは魔王側にとっても例外ではない。


第18話「神聖剣ガイア」終わり