「あ・・ね、ここ!!この店みてってもいい?」 
「またかよ・・・。」
ランスの村に現れる魔獣を退治したリュナン一行は、 
新たな仲間リーザ・ジェイルを加えて旅を再開、 
ヴィッツア大陸でも1.2を争うほどにぎやかな町、 
商業都市イージスに来ていた。 
「いいじゃん!こんなレアなアイテムがある店なんて滅多にこれないんだから!」 
「さっきもそういって二時間も店から離れなかったじゃねぇか!」 
「ま・・まぁまぁアレフ・・・。」 
言い争うリーザとアレフ。それをたしなめるリュナン。 
この光景はリーザが仲間に加わってからはいつものこととなっていた。 
「ちっ・・まったく、この女が入ってから旅が順調に進みやしねぇ・・。」 
アレフの不満はもっともだった。というのも彼女は行く先々で珍しいものをみつけては、 
吟味し、足を止める。その度に男三人はいつも待たされることになるからだ。 
「まぁ・・にぎやかになって良かったよね・・。」 
といってはいるものの、リュナンの顔は明らかに困ったという感じだった。 
「のう・・リュナン、まだ宿にいかんのか?ワシはもう腹が減って腹が減って・・」 
「俺もさっさと宿をとりたいぜ・・この女に連れ回されて疲れた・・。」 
「うーん・・どうしようかリーザ?」 
二人の意見を聞いてリーザに同意を求めるリュナン。 
「じゃああんた達二人は先に行って宿を取ってたら?あたしとリュナンはもう少し回ってるから。」 
「え!?」 
明らかに予想外だったと思う声を出すリュナン。リーザはその声を聞いて、不機嫌そうに 
「何よ・・・嫌なの?」 
「え・・あ・・いや・・」 
「あたし一人置いていって、あたしに何かあったらどーする気よ!!」 
「そんな物好きがどこにいるってんだ・・。」 
アレフがボソっと皮肉を言う。 
「ん!?なんか言った?キザ男!!」 
「いいや?なんでもないぜ?」 
「とにかく、か弱い女の子を一人にしておく気?リュナン、あんたそれでも男なの?」 
「え・・いや・・その・・」 
「そうだな。じゃあ先に行ってるぜー!リュナン。また宿でな。」 
「うむ。先に飯を食っとるから二人で済ましてきてくれい!」 
リュナンが答える前に、アレフとウォルトはさっさと宿をとりにいってしまった。 
「え・・ちょ!・・アレフ!・・ウォルト!!」 
「さーて・・次の店行くわよ♪」 
「え・・ちょ・・引っ張らないでって・・わぁぁぁぁ!!」 
レアものを求めるリーザの腕力は、通常の10倍(予想)となっていた。 
  |