聖へレンズ帝国の謁見の間。 そこに三名の青年達が王の前に集められていた。 「リュナン・アルナム、ウォルト・ラヴァン、アレフ・リュート。」 「貴公ら三名の将軍に今より重大な任務を与える。」 「はっ!」 「貴公らの任務は魔王ガルドゥーン討伐だ。」 「!!魔王・・ですか・・。」 三人の青年の中の一人。リュナンと呼ばれた栗色の髪の青年が驚きの声を発した。 無理もない。 魔王ガルドゥーンとはこの世界に魔族、そして魔物を放った恐るべき存在だ。 その討伐を命じられて驚かない方がおかしい。 「そうだ。魔族のお陰で罪もない我が国の国民達が苦しめられておる。」 「この現状を・・見過ごす訳にもいくまい。」 一年前まで・・この世界は平和そのものであった。 だが・・魔王ガルドゥーンが降臨し、世界に向けて魔物を放った。 その時から・・この世界は平和ではなくなった。 死の匂いの満ちた・・恐るべき世界となってしまったのだ。 「はっ!お任せ下さい!!魔王・・私達が必ず打ち倒してみせます!」 「アレフ!?」 アレフと呼ばれた長身で、身体の細い若者がはっきりとそう答えた。 「何だリュナン・・自信ないならお前は辞退したらどうだ?」 皮肉を利かせてアレフがリュナンに言った。 「いや・・」 「僕も行くよ。闘わなきゃ・・皆を守れないから。」 「ふん・・・。」 リュナンのはっきりした答えにアレフは毒気を抜かれてそのまま黙ってしまった。 「うぉぉ!!魔王討伐・・腕がなるわい!!」 ウォルトと呼ばれた巨漢の男が気合を入れながら叫んだ。 「ふ・・体力バカの方は考えないから怖いもの無しだな・・。」 「なんじゃと!!」 「や・・やめなよ二人とも・・!!」 「コホン!!」 国王ブレイドの咳払いに三人ともハッとなり慌てて正面を向いた。 「とにかく!」 「貴公らは魔王討伐の旅にでるのじゃ!・・頼んだぞ、将軍達よ!!」 将軍達は敬礼してその場を後にした。
「さて・・これからどうする?」
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