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第15話「A subsequent tale」


「ここで、お別れだな」
レイン・シャルタスは大きな荷物を肩に背負い、カインたちに一言告げた。
カインは握手を交わすと、レインの肩に手を置き、ぎゅっとつかんだ。
「レイン、また会おう!」
「あぁ、必ず・・・。今度会う時は一流の剣士として、だ」
そしてレインはカインたちのもとを離れていった。
「ふぅ・・・レインの奴、いっちまったか」
錬金術士であるダグラスは、姿の見えなくなったレインを確認し、カインの方を振り向いた。
「そろそろ俺も行くとすっかな」
「ダグラス、これからどこへ行くんだ?」
「炎の洞窟だ。あそこには火竜サラマンダーって奴がいてよぉ・・・
 そいつの牙はかなりのレア物だ。」
「火竜サラマンダーの牙か・・・」
「お前さんも一緒に行くかい?」
「いや、俺は城へ戻る。休暇も終わる頃だからな」
「そうか。まぁ、そりゃそうだな、はっはっはっ」
ダグラスは大声で笑った。その声は周りに大きく響き、道ゆく人々をみんな振り返らせた。
「元気でな、ダグラス」
「おぉう!あばよ、カイン。この世にレア物がある限り、俺たちはまた出会う。・・・そうだろ?」
「あぁ、その通りだ」
ダグラスもまた、旅立っていった。未知なるレア物を求めて。
その場にただ1人残されたカインは、手にしていた聖剣ファルコンを眺め、その剣を軽く一振りした。

(城の者である以上、俺は戦い続けなければならない・・・
だが戦いを続ける以上・・・必ず犠牲は出る・・・
ヴェイク将軍・・・貴方の気持ちが、今の俺には痛いほどわかります。
・・・アイリス・・・俺は・・・)

「訪れるといいですね・・・平和な時代・・・。」

アイリスのあの日、あの時の言葉が、脳裏に何度も浮かんだ。
(人の死というのは・・・こんなにも辛いものなのか・・・)
深い悲しみを心に刻み、カインはその場に泣き崩れた。

夕焼け空の虚空の下で・・・。


第15話 「A subsequent tale」完