「お・・・お前はいったい・・・!!」 「こいつ・・・女のくせに・・・ この強さは、いったいなんなんだ!化け物かっ!!」 「これが・・・DCC統率者の強さなのか・・・」 3人の兵士たちは、何か化け物を見たかのような表情をし、 そして、眼前にいる1人の女性に畏怖(いふ)の念を抱いた。 「・・・あっけないねぇ。・・・もう終わりかい?」 赤髪の女性剣士は髪をそっと掻き上げ、手に持っていた2本の刀を鞘に収(おさ)めた。 この女性、聖ヘレンズ国の兵士3人を相手にまったくの無傷で、息切れひとつしていない。 その表情には少しの余裕さえ感じられる。 「くそっ!だが、何もしないまま城に戻るわけにはいかないんだ!」 1人の兵士が剣を構え、その女性に向けて間合いを詰めた。 「俺がぶっ倒してやる!覚悟、ディア!!閃光っ!!」 兵士の鋭い剣撃もあっさりとかわされ、ディアと呼ばれた女性剣士は、 素早くその刀を鞘から抜き、その兵士に駆け寄った。 「まったく、往生際が悪いね!」 そして次の瞬間・・・。それは一瞬の出来事だった。 「凍氷(とうひょう)!!山茶花(さざんか)!!」 「御影(みかげ)!!」 「無双嵐(むそうらん)っ!!」 息つく間もなく、次々と彼女の刀技が繰り出される。 「まだこんなもので終わらさないよ!」 「バルテス様から頂いたこの奥義・・・くらいなっ!!」 闇の閃光が走った。ディア最大の奥義・羅刹。 師匠バルテスから受け継いだ、駿足4連斬りである。 「くっ・・・ぐはっ・・・」 技をまともにくらった兵士のうちの1人が、その場で気を失った。 残り2人の兵士はただ唖然(あぜん)と今、目の前で起こった状況を見ていた。 というより・・・あまりに一瞬の出来事で、彼らは状況判断もできていなかった。 ディアは気を失っている兵士の傍に近づき、一言囁(ささや)いた。 「ディアってのは仮の名前さ・・・。 ん?本名?・・・ふ、知らないねぇ・・・」 彼女の名はディア。 異教徒集団による帝国反乱軍組織「DCC」のリーダーである。 |