◆ディアの修行◆ ここは、ピエルの森。 そこには1人の女性がいた。 名前はディア。ディアは今、モンスターと戦っていた。 「たあっ!…ふう、今日も調子がいいな。刀の切れ味も鋭いし、動きにも無駄がなかった」 この辺にしとくか。刀を鞘にしまい、腰を下ろした。 ディアはいつもここを修行場として使っていた。 別にここが気に入っていた訳ではなかったが、モンスターのLvが丁度合っていたのだ。 それにしても、戦いに夢中で気がつかなかったが、すっかり日が暮れていたらしい。 さあ、明日のために早い内に寝るか、と思っていた矢先、木々の揺れる音が聞こえた。 思わずディアは、「そこにいるのは誰だ!」と、叫んだ。 出てきたのは、ディアより年下の青年だった。 「よう、ディア。久しぶりだなぁ」 「ユウ・スティンか。ああ、久しぶり」 「ところでさ、こんなところで何してんだ?」 「ここには丁度手頃なモンスターがいるからな。修練中だ」 「それなら俺にも使わせてくれよ」 「いいよ、別に」 その日からユウ・スティンも加わることになった。 そして、2日目を迎えた。 「よし、今日もモンスターを倒すぞ」とディアは意気込んでいた。 ユウ・スティンも続いて剣を構え、戦闘を始めた。 そして、3時間が経っていった。 「少し休憩しないか?俺もう腹ペコだよ」 「そうだな、結構経ったからな。私は木の実でも探してくるから、ゆっくりしていな」 …待つこと30分が経っていた。 「お待たせ、悪いね」 「大分時間がかかったね」 少ない会話を交わしながら、2人は軽い食事をとった。 しばらくして休憩を終え、モンスターを次々に倒していった。 そして、思わぬ敵に遭遇した。 それは魔獣キマイラだった。魔獣キマイラはいきなり襲い掛かってきた。 「なんだ、こいつ。強いぞ」 ユウ・スティンは言った。 確かに森にいる他のモンスター達より格段に強いが、2人がかりなら勝てないこともない。 しかし、その考えが油断になり痛恨の一撃を食らってしまった。 「ディア!」 ユウ・スティンが急いで駆け寄ろうとするが、形勢逆転した瞬間を逃さず魔獣キマイラは攻撃を仕掛けてくる。 1人で受け続けるには重い攻撃にユウ・スティンはどんどん傷ついていった。 もう少し私に力があれば…思うように動かない体に唇を噛み締めていると、ふと、刀が光っていることに気づいた。 これは、一体…恐る恐る柄を握る力を強めると光も強まり、体中の力がみなぎり、覚醒していくようだった。 これなら、いける…!ディアは立ち上がり、背を向けている魔獣キマイラに斬りかかった。 不意打ちに驚く魔獣キマイラに止めの一太刀を浴びせると同時に光は消えていく。 勝ったことに胸を撫で下ろしながら、自分の油断した心をディアは責めた。 しかし、その後何度戦闘を重ねても覚醒が起こることはなかった。 疑問を抱えたまま、しかし確実に強くなった2人は仲間と合流し、再び長い旅に出たのであった。 ◆投稿者のコメント◆ どうもはじめまして、小説を書くの初めてで、 文章が変な部分もあるかと思いますが、読んでいただけると嬉しいです。 ◆企画者のコメント◆ ユウを助けたいという想いから、ディアは一時的に覚醒したのでしょうね。 誰かを守れる強さを身につけた者は、何者にも勝ります。 一瞬の油断が命取りになることは、戦場では良くあることです。 ユウはディアに感謝しなければなりませんね。