FREEJIA −名も無き物語− 第一話 『依頼』 レモリア大陸のとある酒場で、三人の男が話している。 「なぁ、今回の依頼人は、ここに来るんだよな?」 と、一人が口を開いた。 「えぇ、そのはずですよ」 「それにしちゃーよ、おそくねーか?  まったく、こっちは頼まれてきてやってるってのに・・・」 「まぁまぁ、いいじゃないですか。  それより、私も、オルトさんも、まだ依頼内容を聞いてないのですが・・・  そろそろ教えてくれてもいいんじゃないですか?スティンガー、」 スティンガーと呼ばれた男は、静かに答える、 「あぁ、そうだったな、詳しい内容は聞かれるとまずいので、今は伏せるが、  まぁ、いつものと同じと思っていてもらってかまわない・・・。」 それを、聞いたオルトがにたにた笑いながら、 「くっくっくっ、それを聞いて安心したぜ、  なんせ、抹殺任務はたのしいからな! レス、お前もそう思うだろう?」 「いえ、私は何でもかまいませんが・・・。」 そんな二人の会話を制するかのようにスティンガーが、 「そこまでだ、あまり我々の行動を軽々しく口にするな、ここは、酒場、  ハンターたちに聞かれると、いろいろ面倒なことになるおそれがあるからな・・・。」 「そうですね、私たちのやることは、裏の任務、  表の世界で生きている人たちとは、違うのですから・・・。」 「ちっ、わかった、わるかったよ、」 と、オルトが、しぶしぶ謝ったとき、ふいに酒場の扉が開き一人の男が入ってきた。 男は、辺りを見回し、スティンガーたちの姿を見つけると、ゆっくりと近づいてきた。 「スティンガー・ヴィンセントさんですね?」 「あぁ、そうだ。あんたが依頼人か?」 「はい、といっても厳密にいうと私は依頼主ではありません。  依頼主から今回の件についての依頼内容を伝えるように頼まれた者です。」 「ちっ、なんだよ、自分は来ないでほかの奴を来させるとはよ・・・。」 「まあまあ、オルトさん、そうかっかしないで下さいよ。  それより、依頼内容はどんなものなのですか?」 「あ、はい。今回皆さんにお願いする依頼は・・・」 しばらくの沈黙の後、その男は周りの者に聞こえぬように小声で言った、 「とある盗賊たちの・・抹殺・・です。  なお、今回の依頼では、あまりことを大きくせぬよう、一人残らず・・・おねがいします。」 普通の者であれば、このような非情な依頼をされて躊躇しないものはいないはずだが、 この三人は、まるでそのような依頼であることがわかっていたかのように、 「「「了解。」」」 と、即答した。 第二話『静寂のなかで・・・』 依頼を受けたスティンガーたちは、盗賊たちの砦の入り口に来ていた、 「なぁ、スティンガー、今回はどんな作戦で行くつもりだ?」 「いいや、よく考えろオルト、今回の依頼に作戦などいらんだろう。」 「そうですね、我々の姿を見た人をひとりのこらず・・・ん?」 「どうした?レス?」 「どうやら、ターゲットの皆さんがきてくれたようですよ・・・」 レスは、そういうと前方をゆびさした。 そこには、砦の中から出できたと思われる盗賊たちが殺気だちながらスティンガーたちの所へ、 近づいてくる姿があった。 その盗賊のなかのボスらしき男が、隣にいた下っ端のひとりに聞く、 「おい!あいつらか? 俺の砦に愚かにも無断で近づいてきているやつらってぇのは?」 「へぃ、あいつらにまちがいありません。先ほど見張りから連絡があったので、」 「そうか。で、てめぇらは人様のテリトリーに何しにきやがったんだ?こたえろ!!」 そういうとその男は、腰にさげていた剣を抜きその剣先をスティンガーにつきつけた。 この行動は、明らかに、答えなければ殺すという意思のあらわれだった。 しかし、こんな状況にもかかわらずスティンガーを含む三人はまったく顔色ひとつかえていない、 それどころか、次の瞬間、 ドスッ、 「ぐはぁ、」 なんと、鞘から抜くそぶりも見せていなかったスティンガーの剣が、 一瞬のうちに、盗賊のボスの腹から背中までを貫いていたのだった、 スティンガーは、顔色ひとず変えず串刺しになっている盗賊のボスをなぎ払った、 当然、そのボスはぶっとばされ、地面にたたきつけられた。 「て、てめぇ、よくもボスを!! ぶっ殺してやる!!」 ボスがやられ、頭に血が上った下っ端たちが、一斉におそってくる、 「レス、あとは任せた。」 スティンガーがそう告げると、レスは、持っていた杖を高く振り上げた。 すると、 「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」 「ど、どうした!?」 「!!」 突然、盗賊たちは、あわてだした。 だが、それもむりもないだろう。なぜなら、仲間の一人が突然燃え出したのだから・・・。 「おやおや、あっけないですねぇ。では、他の方々にもきえていただきましょうか。」 レスは、もう一度杖を振り上げようとする、 「ひぃぃぃ」 「お、おたすけぇ!!」 レスの攻撃だと気づいた盗賊たちは、なりふりかまわず逃走しようとする。 だが、彼らの逃げていく方向には、オルトが待ち伏せていた。 「おいおい、逃げたりしねぇで、殺りあおうぜ!!」 オルトは、そういうと自分の武器の斧をふりはらった。 だが、まだ逃げてくる盗賊と距離があるため、斧は、むなしく空気をきった。 しかし、そのあと、おかしなことが起こった。 なんと、オルトの方向に逃げてきた残りの盗賊たちが、 まるで、石につまずいて転んだかのようにその場に崩れ落ちたのだった。 そして、倒れた盗賊たちはみな急所をきられていて、絶命していた。 「悪ぃな、おれの斧は特殊な形をしていて、目の前の空気を切るとその空気が塊となってとんでいき、  遠方にいる敵をも切れるようになってるのさ。まぁ、簡単にいうとかまいたちみたいなもんだ。」 オルトは、もう聞こえてなどいない盗賊たちに向かってこう言い、 そして、肩を落として大きなため息をついた。 「はぁ、今回の依頼もたいしたことはなかったな。なぁ、レス?」 「いえ、僕は結構スムーズにおわったので、いいと思いますけどね。」 「全くお前は・・・。で、スティンガーお前はどうなんだ?」 「依頼は、成功した。それだけだ。」 「ふぅ、お前らはそろいもそろって・・・ブツブツ・・・・」 オルトは、何か気に食わないように愚痴を言い始め、 レスは、それをなだめようといろいろ話している。 スティンガーは、そんな二人を気にも留めず、すっかり暗くなった空を見上げていた、 「(そうだ、何も思うことはない。あのハンターに復讐するまでは・・・)」 第三話『全ての始まり』 スティンガーが、このような依頼を受け始めたきっかけは、10年前・・・・ スティンガーは、森の中にある小さな村の生まれだった。 両親とは、幼くして死別し、たった一人の妹ともに暮らしていた。 「兄さん、おなか減った〜。」 「あぁ、そうだな、そろそろご飯にしようか。おいしいものつくってやるからな。」 「わーい、たのしみだなぁ。」 スティンガーは、てきぱき行動し、ほどなくして、いろいろな料理を運んできた。 「うわー、今日はいつになくごうかだね。どうしたの?」 「おいおい、忘れたのか?今日は、お前の誕生日だろ、リーミル。」 「あ、そうだった。へぇー、だからこんなにごうかなんだぁ。」 「そうだよ、お誕生日おめでとう!!」 「えへへ、ありがとう兄さん。」 「どういたしまして。さぁ、ほら、早くしないとせっかくの料理が冷めちゃうよ。」 「あ、そうだね。じゃあ、いっただきまーす。」 「どうぞ、召し上がれ。」 『(あのときは、二人だけの家だったけど、とてもたのしかった。)』 『(あの事件があるまでは・・・。)』 「ごちそう様でした。」 料理を食べ終わったリーミルは、とてもうれしそうな顔だった。 その後、スティンガーは後片付けにとりかかっていた。 「兄さん、私も手伝おうか?」 「いいや、誕生日の人にやらせるわけにはいかないだろう。  俺のことは気にせず、外で、友達と遊んできな。」 「いいの?じゃ、遠慮なく。いってきまーす。」 「暗くなる前に帰ってくるんだぞ。」 「はーい。」 これが、最後の会話になるとも知らず、リーミルは出かけていった。 『そうだ、あのとき、もしも俺がしっかりついていれば、リーミルはあんなことには・・・)』 リーミルが出て行ってから、かなり時間が経ち、だんだん辺りも暗くなってきた。 「おかしいなぁ、暗くなる前に帰って来るように言ったのに・・・。  どこか遠いところまで遊びにでも行ったのかな?」 バン、 そんなことを呟いていたとき、急に家のドアがあけられた。 そこに立っていたのは、 スティンガー兄妹が、両親を無くしてからいろいろ世話を焼いてくれていたこの村の村長だった。 ハァハァ、 「ど、どうしたんですか村長!?そんなにあわてて。」 「いいから、スイティンガーなにも言わずについてきなさい・・・・。」 「?」 スティンガーは、状況が理解できないまま、村長に連れられて、村の医者のところに行った。 そこには・・・ 「!!」 「リ、リーミル?」 全身血だらけで、倒れている変わり果てた妹の姿があった。 「おい!!リーミル!!  しっかりしろ!!どうして・・・なにがあったんだ!!」 そう、スティンガーが必死に問いかけると、 血だらけのリーミルがかすかに目を開け、力ない言葉で、 「に、兄さん・・・よ、よかった・・・最後に・・に・・いさんの顔が見れて・・・。」 「わかった、わかったから、もう何もしゃべるな・・・・。  いま医者がくるからな・・・。」 「ううん・・・もう・・・いいの・・・。  最後に・・・にい・・さんの・・・かおが・・みれて・・・うれし・・・かっ・・・た。」 そういって、リーミルはその生涯を閉じた。 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!リーミルーーーーーー!!」 スティンガーは、涙を流しながら、絶叫した。 そんな様子をみて、村長はすまなそうに、 「すまない、スティンガー、わしがもっと早く見つけてさえいれば・・・。」 しかしそんな、村長の言葉も悲しみのどん底に突き落とされたスティンガーの耳には届かなかった。 「リーミルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ、うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 『(そう、あの日、俺は大切なたった一人の妹を失った。  そして、これは、後で聞いたことだが、リーミルは、近くにある草原に友達と一緒に遊びに行っていて、  しばらくして、一緒に来ていた友達は、親も手伝いを思い出し先にかえった。  そして、リーミルは一人で草原に残り、一緒に連れてきていたネコと遊んでいたところ、なんと、  ハンターから逃げてきた山賊が、偶然通りかかり、リーミルを人質にしたのだそうだ。  そして、山賊は「人質と引き換えに自分たちをみのがしてくれ。」と追っ手のハンターに交渉をもちかけた。  しかし、ハンターは、その交渉にのらず、依頼を優先して山賊を攻撃してしまった。  そのため、頭に血が上った山賊は人質であったリーミルを刺してしまったらしい。  当然、人質を失った山賊は、なすすべもなくハンターにしとめられたということだった。  確かに、ここまで見ると、単なる不幸な事件かのしれない。だが、問題は、その後のことだ。  任務を終えたハンターは、大量に出血している、リーミルを無視してその場を立ち去った。  そして、ハンターが、立ち去ってしばらくしてから、  偶然通りががった村長が、村までつれてきてくれたらしい・・・。  リーミルを殺したのは、そのハンターと、この俺だ・・・。  だから、俺は、そのハンターに復讐し、すべてが終われば、おれも・・・。  リーミルを見殺しにしたハンターは、デスというらしい・・・。  俺は、そいつに会って復讐するために、そいつが多く受けているという抹殺依頼を、裏からしいれ、  先にその依頼をこなすことにした。  奴が同じ依頼を受けていれば、後からのこのこやってくると思ったからだ。  それが、俺が、今、こんな依頼を受けている理由であり、生きている理由・・・。)』   第四話『対決』 盗賊抹殺の依頼をこなしたスティンガーは、宿屋で休んでいた。 オルト、レスもおなじようにそれぞれ、別の部屋にいる。 スティンガーは、10年前を思い出し、寝れないでいた。 そのとき、 ガシャーン、 「なっ、なんだ!?」 なにかが、部屋の窓を突き破って投げ入れられたのだった。 それは、なにやら、紙が結び付けられた石だった。 スティンガーは、その紙を石から外し、絶句した。 なぜならその紙にはこう書かれていたからだ、 ― やぁ、スティンガーくん。   どうやら君は、私と戦いたいらしいね。   事情は、きみが前にいた村の村長から聞いたんだ。   君が、望むなら、私は君の挑戦に受けてたとう。   今すぐに、その町の東にある墓地にくるがいい。                        デス ― 復讐相手からの、挑戦・・・。 スティンガーは、迷わず装備を整え、街の東にある墓地へむかった。 スティンガーは、墓地にむかってはしっている。 「(墓地は、町の敷地内にあり、戦う場所にしては不向きのはずだが・・・。)」 そして、ほどなくして、スティンガーは墓地に着いた。 「!!」 しかし、そこで待っていたのは、なんと、変わり果てた仲間の姿だった。 「オルト!!レス!!」 「どうした何があった!!」 スティンガーは、ここで、奇妙なことに気づいた。 オルトも、レスもすでに、ずたずたに切り裂かれて絶命していたのだが、 二人は、わざわざ墓石に腰掛けていたのだった。 そう、まるで、何者かにそうさせられたかのように・・・。 スティンガーが、二人の死を確認していたとき、墓石の裏から、人が現れた。 そいつは、にやしながら、スティンガーに話しかけた。 「やぁ、スティンガー君、はじめまして。  どうかな、気に入ってくれたかい?私の、用意した舞台は?」 「お前が、デスか?この二人もおまえがやったのか!?」 「ふふふ、野暮なことをきくねぇ。当たり前じゃないか。  もっというと、君の妹を殺したのも、わたしだよ・・・。」 「!!」 「いやー、私としてはあの時、殺すこと意外に何も興味がなかったんでね。  別に他の人間がどうなろうと知ったことではなかったんだけど、でも、そのおかげで、  私に復讐しにきてくれるような奴を、殺す楽しみがうまれたんだからね。感謝しないとねぇ。」 「き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「そうだ、そうだ、もっと憎めそして私にかかってくるがいい!!」 「お前に言われずともぉ!!」 スティンガーは、剣を抜き、デスに襲いかかった。 デスは、後ろに隠していた大鎌で、迎撃体制に入る。 「はははは、愚か者よ正面から来れば私のえじきだぁ!!」 デスは、高笑いをしながら、鎌を振り払った。 ズドガァン、 デスの攻撃で、墓石とともにデスの目の前にあったものが一瞬で、ふっとばされた。 目の前のものが破壊されたのを見てデスは、笑いながら、 「ふはははは、あっけないな!!まさか跡形もなくなるとはよ!!」 デスが、勝利を確認したそのとき、その背後から、 「甘い!!」 と、一瞬で移動して、デスの後ろをとったスティンガーが剣で、切りつけた。 ズバァ、 「ぐぁぁぁぁぁぁ!!」 デスは、後ろからスティンガーの渾身の一撃で、深くまで切りつけられた上に、前方にぶっ飛ばされた。 「やったか・・・?」 ステインガーが、生死を確認するため近づこうとしたとき、 深手のはずの、デスがいきなり起き上がった。 「おのれぇぇぇ、この私に傷をつけるとはゆるさんぞ!!  貴様は、この私の真の姿をもってほおむってやろう!!」 そういうと、デスの体がだんだん変形してくる。 ゴキャ、ゴキゴキ、ゴキャ、 「こ、これはまさか!!」 だんだんデスは、人間の姿から遠ざかっていき、最終的に最初の人の姿とはうって変わって、 醜い姿に変形した。 「お、お前、魔物だったのか!?」 「ふん、そのとうり、人間の姿に身を変えていたほうが、人間を殺すときに何かと便利なんでね。  さて、先ほどは、油断したが、今度はそうはいかん!!  私の、全力を持って、貴様を殺してくれるわ!!」 スティンガーは、一瞬、状況が飲み込めず混乱したが、すぐに目的を思い出し、剣を構えた。 「貴様がなんであろうと、おれは、お前を殺す!!」 そして、スティンガー対デスの最終決戦が始まる・・・。   最終話『朝日が昇る頃に・・・』 ガキン、ガキン、ガキン、 暗黒に包まれた墓場に武器のぶつかる音がしている・・・。 スティンガーは、魔物の正体を現したデスにおされつづけて、全身傷だらけになっていた。 「はぁ、はぁ、・・・。」 「なかなかしぶといじゃないか、だが、やはり人間と魔物、体力に圧倒的にさある・・・。  次で、楽にしてやろう!!」 「ほざけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 スティンガーは残る気力で、デスに切りかかった。 「ふん、その程度か・・・」 先ほどとは、逆に、今度は、デスが背後を取った。そして・・・。 ドスッ、 デスの鎌が、スティンガーの心臓の部分を、後ろから突き刺していた。 デスは、鎌をさらに深くつきたてた。 「ごはっ、」 スティンガーの胸の辺りから、血があふれ出ている。 そして、スティンガーは自分の意識が、薄れていくのがわかった。 「(ごめんな、リーミル。お前の仇討てないみたいだ。   でも、大丈夫、いまからそっちへ行くよ・・・。)」 スティンガーの意識がなくなるその寸前、何者かの声が聞こえた。 「−スティンガーさん、そんなところで諦めるんですか?−」 「−そうだぜ、てめぇは、そこでくたばる奴じゃねぇだろうがー」 「(!! レス、それにオルト、お前らなんで?)」 「−てめぇには、いろいろ世話になったからな。だから、あんなやろうにまけてもらっちゃこまるんだよ。−」 「−そうそう、もうあなたの前にいるのは、あなたの妹さんの仇だけだなく、私たちの仇でもあるんですよ。−」 「(そうか、そうだったな、お前らみたいな、なかまと呼べる存在が俺にはあったんだったな。)」 「−全く、気づくのがおせぇよー」 「−では、おねがいします。死ぬのは、勝ってからでもおそくはないはすですよ・・・。−」 そして、その声が聞こえなくなったとき、スティンガーは、生気をとりもどした。 「そうだ、俺は、貴様などには負けん!!」 「なに!! そんなばかな。」 スティンガーは、自力で、突き刺さっている鎌を抜き取り、 手に握っていた剣をデスの顔めがけて突き刺した。 「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 絶叫とともにデスの体にヒビがはいり、そのままデスは消えうせた。 「か、かった・・・・。」 傷だらけのからだをかかえ、スティンガーは、空をみあげた。 辺りが、だんだん明るくなってきた。 「朝日か・・・・。こんなに、暖かい光・・・・」 「リーミルと・・・一緒に・・・みた・・・かった・・・。」 こうして、スティンガー・ヴィンセントの戦いは幕を閉じた。 だれにも語り継がれることなく・・・・。 ◆企画者のコメント◆ レモリア大陸でのオリジナルキャラたち視点の物語ですね。 こういう、全く新しいキャラたちのみの物語というのは、 新しい試みなので、新鮮に読むことが出来ると思います。 個人的には、デスさんの武器が鎌というところが好きです。